お友だちとがんばったコンペティション
             沼田 若菜(小3)

 わたしは2年生のときに、はじめてコンペティションにちょうせんして、全国決勝大会に出ることができました。あつい夏にあんなにピアノのれんしゅうをするのはいやだなあと思っていました。でも、

「今年のコンペティションに音ちゃんとつむぎちゃんが出るのよ。若菜ちゃんも今年は同じB級になるから、出たらきっと勉強になわ。」と田代先生がおっしゃいました。音ちゃんは教室の、1つ年上のピアノがとても上手なお友だち。つむぎちゃんは他の教室ですが、粒のしっかりした音を持っている、音ちゃんのお友達で二人ともなんども全国決勝大会に出ています。


田代先生のことばをきいて、お母さんがコンペティションを受けると決めました。
まず曲をきめなくてはいけません。音ちゃんやつむぎちゃんと同じ曲の方が勉強にはなるけど、わたしにはひけないだろうということで、クラシックの曲はひきやすい方に決めました。しかし、先生が「今年はむずかしい曲をひいて、うんと力をつけた方がいいと思うのよ。」とおっしゃったので、ソナチネを音ちゃんたちと同じクレメンティに変えました。
この曲がわたしにひけるのだろうかと不安になりました。音ちゃんは4月にモデルレッスンをこの曲で受けたので、その時に、明日が本選でもいいように上手にひけていました。なんだかやる気が出なくてのんびりしていたら先生から叱られました。あわててリズムれんしゅうもたくさんして上手にひけるようになったと思っていました。


5月の連休には、同じB級を受ける音ちゃん、つむぎちゃんとの合同レッスンです。じゃんけんをして勝った人から順番にひいていき、それぞれの演奏をきいた感想を言い合います。
わたしはじゃんけんに負けたので最後にひくことになりました。音ちゃんが上手なのは知ってましたが、つむぎちゃんもとても上手にひいていてびっくりしました。わたしは緊張してボロボロになりました。それぞれの演奏の感想も、みんなとても細かく感じたことを言っていました。わたしはお友達が上手なことはわかりましたが、細かいことはわからなかったので、やっと1つだけ言いました。先生は「それだけ?」という顔をされた後、「若菜ちゃんは聴く耳を養っていかないといけないわね。」とおっしゃいました。
7月にはみんなでホールレッスン。ホールレッスンはつむぎちゃんの先生も、みんなのお母さんたちも、みんながいい演奏になるように、意見を言い合いました。わたしもたくさん言えるようになって、先生にほめられました。


本選ではお友達二人とも全国決勝大会に進みました。わたしは優秀賞でした。
お友達の応援によみうり大手町ホールに行きました。演奏はとてもていねいで、4曲をそれぞれひきわけていてすてきだと思いました。わたしも来年はこのステージでひきたい!と強く思いました。この気持ちを忘れないで頑張っていこうと思いました。

私を強くしてくれたコンペ

             有永音羽(小4)

「音ちゃんが悪いんじゃない。先生が悪い。また一から一緒に勉強しなおすから今は泣かない!人に気を遣わせない!」


一昨年のA1級の全国決勝大会で、自分でも気持ちのいい演奏ができたと感じ、先生もほめて下さったのに賞を頂けず、祝賀会で泣いていた私に田代先生がおっしゃいました。


それからというもの、私に何が足りないのか、一生懸命に考えました。
まず、お母さんと相談して、先生にソルフェージュを教えて頂くことにしました。初めはチンプンカンプンでしたが、自分の弾いている曲の調性や転調していることなどもわかるようになりワクワクしました。


今回のコンペティションはスタートを切る前に、先生から「4月のモデルレッスンの生徒になってみない?」と言われました。たくさんのピアノの先生方の前で素晴らしい先生からレッスンを受けることが出来る、しかし、その日までどの先生のレッスンを受けられるのかはわからないと聞いて、受けたい気持ちとこわい気持ちが半々になりました。しかし、挑戦してみることにしました。モデルレッスンの当日、会場に行って、根津栄子先生のレッスンを受けることが出来ることがわかりました。先生は優しい笑顔を私に向けて「音羽ちゃん、笑顔ね!笑顔で楽しんで弾いてね!大好きなお母さんに一番素敵な演奏を聴かせてあげてね!」私は緊張が少しほぐれました。
根津先生は私に曲についてのたくさんの問いかけをして下さいましたが、ソルフェージュの勉強のお陰か、なんとかお答えすることができました。なんだかとても楽しかったです。


初めの目標だったモデルレッスンが終わって、気が抜けないように、先生と今回のコンペの課題を考えました。今回の課題は「説得力」「推進力」「音の粒」に決めました。
また、曲のイメージを膨らませるために、お母さんが赤坂の迎賓館に連れて行ってくれてお城のイメージを広げ、チェンバロ体験にも行ってバロックの楽器やその音を知ることもできました。


ところが第1回目の本選で優秀賞。あと1回のチャンスし追い詰められた日を過ごしていたある夜、一緒にコンペを頑張ってきたお友達が先に全国決勝大会に進出したという知らせを受けました。大好きなお友達に「よかったね。おめでとう!」と言ってあげたいのに、自分はもうダメなんじゃないかと思ってたくさん泣いてしまいました。2回目の本選まで不安な気持ちを隠しきれませんでした。でも、先生はいつも通り元気で、私をグイグイ引っ張りあげて下さいました。

2回目の本選で1位。お知らせの電話をしたら、今度は先生が電話の向こうで泣いていました。表彰式で、たとえ賞を頂けなくても笑顔でいようとお母さんと話していましたが、銀賞!心の底から嬉しかったです!これからも挑戦する気持ち、周りの人たちに感謝する心を忘れずに頑張ってきたいと思っています。

 

コンペを通して学べたこと

             北川愛梨(小6)

 

 うす暗く少し肌寒い、まるで洞窟のようなこの空間。光が射す方を見ると、グランドピアノが輝いている。緊張しつつもあのグランドピアノを弾きたい、という想いが強くなっていく。私の演奏番号が呼ばれた。今から、コンペが始まる。

 私は小学校三年生の時に、念願の田代先生のピアノ教室に入会しました。そして、翌年の四年生から毎年コンペに参加しています。コンペを通して、どんなことがあっても最後まで頑張りぬく心の強さ、ピアノを弾けるということの有難さ、感謝の気持ちを持つことの大切さを学びました。ピアノを真剣に頑張ろうとすればするほど、次から次へと大きな課題が出てきて、辛いと思うこともありました。

 そんな時は、田代先生から初めていただいた年賀状の言葉、

(道を求めていくには沢山の山坂があります。腹をすえて一歩一歩足を前にふみ出してください。)

を見て、練習にはげみました。

レッスンで田代先生が歌ってくださると、曲に魂が吹きこまれたかのようになります。全身全霊で教えてくださる言葉は、厳しさの中にも大きな愛情があります。音楽のことだけではなく、たくさんの大切なことを教えてくださいます。三月から八月までの約半年間をかけてコンペを乗り越えられるのも、本番のステージで演奏し終わった後、もう一度弾きたいと思えるほど楽しさを味わうことができるのも、田代先生のおかげです。心から感謝しています。そして、あかり先生にはソルフェージュとコンペの曲を見ていただき、いつも応援してくださり有難うございました。中学生になっても、ピアノを続けていけることに感謝の気持ちを持って、聴いてくださると方々に楽しんでもらえるような音色を響かせられるように頑張っていきたいと思います。

 

              上田 萌莉(中3)

 

私は幸せ者だ。田代先生にピアノを教えていただくようになって八年がたち、その八年間で私は、素敵な人生の先輩にたくさん出会いました。その出逢いの始まりは田代先生です。一つ一つの奇跡の出会いが重なり、自分の歩く道を輝かしくしてくれました。

 田代先生は、どんな時も私と本気で向き合って下さいました。毎週あったレッスンに行かなくなり、寂しく感じると同時に、レッスンの時間は、自分にとって、かけがえのないものだったのだと改めて気付きました。でも、私には、受験という自分自身との闘いがありました。だから、いつか成長した自分の演奏を聴いてもらいたい気持ちで練習を頑張りました。私がレッスンに行かなくなっても、田代先生は見守って下さいました。

「最近、萌莉ちゃんの調子どうですか?」と母に連絡して下さったり、newsletterを毎回送って下さったり、コンサートに誘って下さったり。私は本当にたくさんの場面で、先生の存在の大きさを感じました。決して、毎週会っていなくても、ピアノを見て頂いていなくても、こんなに近くに先生を感じ、温かく見守って下さっていることが、言葉に表せないほど嬉しかったです。

 旦那さん。私は旦那さんがいるとホッとします。発表会やアンサンブルフェスティバルの時に旦那さんの笑顔を見ると、心が温かくなります。まだ、私が小学生の頃、一人でレッスンに来ると。終わった後に、旦那さんが車で送って下さったことがありました。車の中でピアノの話や田代先生、あかり先生の話、学校の話など、色々な話をしました。「英語は将来たくさん使うから、頑張って勉強してね。」と言って下さったことは、すごく印象に残っています。また今度、たくさんお話ししたいです😃

 あかり先生には小学校高学年からソルフェージュを見ていただきました。音楽の理論について初めて学ぶ私に、丁寧に分かりやすく教えて下さいました。最初は何回も間違えていた所が、次の週に出来るようになったり、新しい単元に進めるようになったりしたことは、私にソルフェージュの楽しさを教えてくれました。全問正解すると自分のことのように喜んで下さり、ソルフェージュをまなぶことが、ますます好きになりました。あかり先生は、私の大切な先生であると共に、とっても優しくて笑顔の似合うお姉ちゃんみたいな存在です♡

 田代家の皆さま、25周年おめでとうございます。私は田代家に見守られてここまでくることが出来ました。とても感謝の思いでいっぱいです。私の他にも、このような思いをした人がたくさんいると思うと本当にすごいなあと尊敬します。これからも活気あふれる素敵なお教室でいて下さい!本当におめでとうございます。

 私はこの春から音楽高校に通うことが決まりました。私には高校生活を目前にして決意があります。それは、「音楽を追求して、限界まで挑戦し続けたい!」ということです。音楽高校に入学するということは、当然、音楽漬けの毎日になります。その中で、どれだけ本気になって音楽と向き合って行けるか、諦めないで、自分に負けず頑張りたいです。

 意志あるところに道は開ける!