30周年 生徒からの手紙1

田代先生、三十周年おめでとうございます。僕はピアノを習い始めて十年になるので、田代ピアノ教室の三分の一の時間、レッスンを受けたことになります。

僕は四歳の時、ピアノを始めました。習い始めの頃はよく熱を出し、レッスンを受けられない事が多かったそうです。ピアノの練習も進まず、先生によく叱られていました。小さい頃は、ピアノが楽しいとは思えず、発表会にこそ出ていましたが、ステップやアンサンブルフェスティバルには決して出ませんでした。「恥ずかしい」「失敗したらどうしよう」という思いが強かったからです。

三年生になった時、先生と母から「一回やったほうがいいよ。」とか「サックスと合わせてみよう。」などと説得され、無理やりアンサンブルフェスティバルに出場させられました。たくさん練習し、たくさんしごかれました。初めてのアンサンブルはすごく緊張したけれど、海老原さんのサックスでちょこっとごまかすこともでき、うまくできたと感じました。ここから僕は、「ピアノって楽しい。」「もっとやってみようかな。」と思うようになりました。

四年生の時、アンサンブルフェスティバルと流山ステップの両方に出ることにしました。毎回のレッスンで叱られ、練習してもうまく弾けないということが多々ありました。「もうやめようか。」と考えた時、「やめて楽になったら、楽しいのだろうか。」と考えました。「ここでやめたら、今までやって来たこと全てを失ってしまう。」と思い、ピアノを続けていこうと決めました。

六年生になった時、最大の選択をするときがきました。中学校に進学したらピアノをやめるかやめないかの選択です。一ヶ月以上悩みました。僕はピアノを続ける決断をしました。ピアノを弾くことが楽しいと思うようになっていたからです。

中学生になるとレッスンへの母の付き添いも、練習への口出しもなくなり、自分の力だけでやるようになりました。小学生の頃は先生の話を母も聞いていてくれているという甘えがありました。しかし、中学生では、先生とのレッスンの内容を記憶し、家での練習に反映させなければなりません。最初は戸惑いと不安が大きかったですが、母は、自分で考えて取り組むようになってから力が伸びたと言っています。今は、勉強と部活の両立で練習時間がなかなか取れない中ですが、ピアノを続けようと努力しています。

田代先生、今思い返しても、本当に厳しいレッスンでした。でも、その中には、上手になってもらいたいという先生の愛情がありました。僕がピアノを好きになり、続けてこられたのは、ピアノの楽しさを教えてくださった田代先生のお陰です。田代先生も悩むことがたくさんあったと思いますが、いつも元気に明るくレッスンをしてくださいました。それを三十年も続けるのは、すごいことだと僕は思います。先生の生徒たちは、みんなそう思っていると思います。僕はこれからもピアノを弾き続けます。田代先生も気力・体力の続く限り、ピアノ教室を続けてくださったら嬉しいです。そして、四十周年の発表会に参加することが僕の目標です。田代ピアノ教室のますますのご発展をお祈りしています。

田代ピアノ教室代表  H.T

Author: chiemi tashiro