田代稚恵美

 

 21th Piano Concertに、ようこそ、お越し下さいました。

子ども達の作文を、発表会の会場に展示するようになって6回目です。
今回の8点を含めて、私の手元には49点の作文があります。
子どもたちの作文を一番楽しみにしているのは私かもしれません。
作文を書いて頂くことで、毎年、驚きや発見があります。
子どもたちは、毎年、自分なりの目標を設定しながら果敢に挑戦をしております。
私は子どもたちの持っている力を最大限引き出し、引き上げることに全神経を使っておりますが、子どもたちもまたそれに応えるべく、ご家族に支えられながら頑張っている姿が浮き彫りにされております。
時にはもがきながら、悩みながら、苦しみながら、、、子どもたちが「精神力」「人間力」を養っていることをうれしく、頼もしく思います。
この作文を大事な手がかりとして、また、子どもたちと向き合ってまいります。
昨年の20周年のConcertで在籍している全生徒やかつての生徒達から頂いたお手紙やビデオレターと共に、この作文は私の宝物です。


楽しかったコンペ
         大村  栞(小2)

 「コンペに出てみない?」
お母さんにそう言われた時、うれしくてすぐに
「出たい!金しょうとりたい!」
と言いました。教室のみんながコンクールでがんばっていて、きょ年は入しょうしゃコンサートも聞きに行ったので、わたしもがんばりたいと思いました。

 コンペの曲は楽しくて、すぐにあんぷしてしまいました。でも出したい音色が出なくてたった一音を何どもれんしゅうしました。一生けんめい音をきいたけど、ちがいが分からない時は、しんどくて、れんしゅうがいやになりました。夜、おふとんで、どうしたら金しょうがとれるか、お母さんとお話しました。友だちにまけないことが大切なのではなくて、これくらいひけたらもういいかな、とか、今日はれんしゅうしなくていいかな、と思う自分の気もちにまけないことが大切だと思いました。

 さいしょの本せんで二いだった時は、くやしくてないてしまいました。二回目の本せんではぜったいに全国大会にすすみたかったのに、はいえんになって入いんして、れんしゅうできなくなってしまいました。でも、どうしても本せんに出たかったので、点てきもきゅう入もがんばりました。いきがくるしくて、ホールのかいだんをのぼるのがた大へんでした。田代先生もなお先生も、コンペの友だちもびょういんの先生も、みんながおうえんしてくれました。けっかは全国大会には行けなかったけど、さいごまでがんばることができてうれしかったです。でも、本当はすごくすごくくやしかったです。

 コンペに出て一ばん楽しかったのは、たくさんのホールでいろんなピアノをひけたことです。
 元気になっておうちのピアノをひいた時は本当にうれしかったです。これからもたくさんれんしゅうして、大すきなショパンの「えいゆう」がひけるようになりたいです。

ピアノとわたし
         石井 美有(小2)

 田代先生のお教室には、いろいろなコンサートやコンクールなどのパンフレットがおいてあります。その中にしょうわ音楽大学ピアノアートアカデミーコースのしけんのパンフレットがありました。わたしはうけてみたいと思いました。でも、しけんの日は、ママが用じがあってしけんをうけることができないと言われました。わたしは一人でもうけにいきたいと思っていました。そうしたら上田めりちゃんもいっしょにうけるので、めりちゃんのママがいっしょにつれていってくれることになり、しけんをうけることができました。

 しけんでは、めんせつもありました。行きの電車でめりちゃんママにめんせつのれんしゅうをしてもらいました。わたしは、はじめてのめんせつで、8人も先生たちがいたので、すごくきんちょうしてしまいました。しつ問にうまくこたえることができなかった時、めりちゃんママにうしろから少したすけてもらいました。ピアノのえんそうは楽しくひくことができ、2人で合かくすることができました。うれしかったです。めりちゃんママには、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

 わたしのレッスンを、江口文子先生にみてもらえることになり、すごくうれしかったです。アンサンブルのじゅぎょうで、はじめて作曲をしました。その時は、自分で作れるかな?と心ぱいしましたが、少しずつ曲を作っていき「台風がきちゃう」という曲ができました。またちがう曲も作ってみたいです。

 きょ年のわたしは、スタインウェイコンクールを目ひょうにむずかしい曲を田代先生にえらんでもらいました。さいしょは、ふ読みに時間がかかり、ぜんぜんひけませんでした。上手になるために、たくさんステップやコンクールをうけました。はじめのコンクールではなっとくできるえんそうが出きませんでした。
 北本コンクールは、一年生の時うけて一位をいただいたぶ門でした。また一位をいただけるようにがんばらないといけないと思ってしまい、とてもふあんで今までとはちがうきんちょうをしました。また一位をいただくことができて、すごくうれしかったです。いながきみつきくんやあかねちゃんがおうえんに来てくれてすごく心強かったです。ありがとうございました。

 そして、一ばん目ひょうにしてきたスタインウェイコンクールの日になりました。わたしのぶ門は2年生から4年生までのぶ門でした。その中でトップバッターということもあり、足がふるえて、なみだがでそうでした。それでも今までがんばってきたので、いっしょうけんめいひきましたが、しょうれい賞でした。とってもくやしかったです。

 これからは、もっと一つ一つの音に気持ちをこめて、ステージで力が出しきれるように、たくさんれんしゅうをします。
 今まで、いろいろな賞をいただくことができたのも、一つ一つていねいに、ねっしんに教えてくださる田代先生や尚先生のおかげです。本当にありがとうございます。
 田代先生、尚先生これからもよろしくおねがいします。

発表会とわたし
         中村 美結(小3)

 今年の発表会の曲は、『おおぐまこぐま』と言う星座の曲です。わたしは、元気な曲がすきなので今年のゆったりしている曲は苦手です。しずかな曲だけどメロディーはキラキラさせるのがむずかしくて、わたしがなかなかキラキラしている星座を表現できないのを見て、お母さんがインターネットで『おおぐま座』と『こぐま座』の神話を調べてくれました。少しかなしいお話でした。そのころ、ちょうどゆうびん局で星座の切手が売っていたので、買ってみました。たくさんの星をつないで、一つの星座ができていることが分かりました。それからは、『おおぐま座』と『こぐま座』のイメージを思いうけべながら練習しています。
 今回はお母さんと連だんします。『子ねこのジャズワルツ』と言う曲です。楽しくルンルンでひきたいです。

 今年の発表会は、なにごともなくおわりたいです。と、いうのもピアノをはじめてから発表会にちかづくと、さいなんばかりおきているのです。発表会、1回目は東日本大しんさい、2回目は1週間前にインフルエンザ、3回目の昨年は、前の日の夜に、ねんざ、本当にさいなんばかりおきているのです。だから4回目の今年の発表会は、なにごともなくおわりたいです。

コンペに参加して
         稲垣 光希(小4)

 ぼくはコンペに参加して、大変だったこと、それからうれしかったことがあります。
 大変だったことは、ピアノの練習時間を作ることでした。ぼくは、姉弟でコンペに参加したため、一日三時間しか練習時間がありませんでした。三時間という練習時間は、コンペの練習では全然足りないので絶対に時間を無だにしないようにがんばりました。つかれて休けいしたくなる時もあったけれど、休まずに練習を続けるのがつらかったです。でも、できなかったところができるようになると、とても練習は楽しかったです。

 うれしかったことは、ぼくが課題曲があまり上達しない時も、田代先生は絶対あきらめないで、弾けていないところを熱心に教えてくれたことです。そのおかげで、弾けていないところが弾けるようになり、上達していきました。そして、予選、本選へ進み、全国決勝大会に出場することができました。全国決勝大会に出場できて本当にうれしかったです。コンペを通して、友達ができたこともうれしかったです。田代先生のはげましや友達の応えんがぼくの力になりました。田代先生、みんなありがとうございました。これからも一緒にがんばっていきたいです。

楽典とソルフェージュを習い始めて

         佐藤 輝季(小4)

 ぼくは、昨年の二月から楽典とソルフェージュを習いに、佐々木邦雄先生のところに通っています。
 習い始めたきっかけは、レッスンで「この和音はきんちょう感を持って。」とか「これは安心感のある和音だからね。」と言われた時に、和音に緊張感や安心感があるってどういう意味なのかなと思って、楽典の本を買って読んだけど難しかったから習いたいと思いました。
 楽典とは、楽譜に書いていないことを読みとるための大事なことです。ソルフェージュは、初見や伴奏を付けるためのコードの勉強、聴音や歌やアンサンブルをします。
 楽典とソルフェージュはむずかしくてすごく大変だけれど、邦雄先生がわかりやすく教えてくれるので、とても楽しいです。最初は問題が全然解けなかったけれども、少しづつ解けているのがうれしくて、勉強していると、調性がわかるようになってきて、和声の分析も、少しずつできるようになりました。
 八月には、作曲合宿に参加しました。二泊三日で一曲作り最終日に発表します。初めての作曲で、曲のメロディのアイディアも思いうかばず、どういう伴奏をつけたらいいのかも全然わかりませんでした。邦雄先生やアシスタントの先生が少しずつヒントやアイディアを出してくれたので、二日目の深夜一時になってやっと一曲出来上がりました。すごく眠くて辛かったけれども、曲を作れたことがうれしくてもっと作曲したいと思いました。今は、メロディが一つうかんでいて、それに即興で伴奏を付けるためにコードの勉強をしています。
 いつか、田代先生と尚先生に先生をイメージした組曲を作って発表会で演奏したいです。
 今年は、テクニックをたくさん身につけていろいろな曲をひきたいです。今は短い曲しか作れないけれど、がんばって長い曲を作りたいです。楽典を習い始めて一年たって楽譜の見方が少しずつ変わってきて音楽の世界が広がってきました。

スタインウェイコンクールへの挑戦

         上田 萌莉(小5)

 私は去年、2年に一度行われるスタインウェイコンクールに挑戦しました。このコンクールは、各カテゴリーから1人しか本選に行けない、とてもきびしいコンクールです。私が受けたCカテゴリーは、5年生〜中学1年生までで、5年生は私だけでした。「結果はダメでも、2つ上の人たちと同じ舞台で戦えるんだ。」と思って毎日がんばって練習しました。コンクールで演奏する曲は、モーツァルトのニ長調K.311第1楽章とドビュッシーの「ピアノのために」よりプレリュードです。モーツァルトは、森の音楽会で、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの楽器を想像して弾くところがとても楽しかったです。ドビュッシーの始めの部分は、波をイメージし、最後は海の神様が、水上にあらわれるというのを想像して弾きました。右手の4つの和音がなかなかつかめず、最後の最後まで、練習しました。

 本番当日、緊張しながらホールに行くと、いつものコンクールとは、雰囲気が少しちがいました。私の演奏の1分前に地震があってとてもこわかったです。でも、お母さんと、いつもの深呼吸をしたら、落ちついてきました。舞台に出ると、お客さんみんなが、大きな拍手をしてくれてすごくうれしかったです。コンクールなのに弾く前に拍手があるのが、めずらしいと思ったけれど、とてもほっとしました。2曲ともノーミスで、ドビュッシーのいつも弾けない所が弾けて、まほうがかかったみたいでした。大事な1回の演奏が今まで自分が演奏した中で、1番上手にいって良かったです。袖にもどると、お母さんが泣いているのを見て、私も泣いてしまいました。

 このコンクールの1週間前、北本の本選で思い通りの演奏が出来ず、結果は4位でした。私は悔しくて帰りの電車の中でずっと泣いていました。田代先生がメールを下さいました。「イチローの言葉、4000回のヒットを打つには8000回以上の悔しい思いをしている。それと、常に、向かい合ってきた。その事を誇りに思う。これからも、失敗をいっぱい重ねて、たまにうまくいってというくり返しだと思う。」という内容でした。
 私はもう一回挑戦することが出来るのだから、今度は、「悔いのない演奏をする。」事を目標に頑張りました。結果は、奨励賞で本選に進むことは出来ませんでしたが、また新たな課題が見つかり、とても勉強になったコンクールでした。
 次の日、一緒にコンクールを受けた、美有ちゃん、輝くんの演奏を聴きに行きました。美有ちゃんは、本番での集中力と雰囲気のある演奏で、輝くんは、1音1音とてもていねいに弾き、しっかりとした音が出てました。3人とも受賞できて本当に良かったです。

 去年は、色々な事に挑戦しましたが、田代先生は、いつも応援してくださいました。失敗するとダメだった所を分析してくれて、上手くいくと喜んでくださいました。尚先生は、私の苦手な所を一緒に考えて下さり、指や身体のトレーニングをていねいに教えて下さいます。田代先生と尚先生、本当にありがとうございます。これからも、たくさん失敗して、たくさん挑戦して、上手くなりたいです。
 発表会では、先生方や応援してくれる家族やおじいちゃん、おばあちゃん、おばさんに感謝の気持ちをピアノの音色で届けたいです。

田代先生、ありがとう

         稲垣 朱音(小6)

 昨年、私はピティナピアノコンペティションのC級に挑戦しました。小柄でオクターブも届かない私はピアノをならすことがとても難しく、コンペに参加するかどうか悩んでいました。でも、昨年、本選曲を練習する時間がとれず残念な思いで本選に出場した気持ちと中学校に入ったら時間もなくなってしまうので今年が最後のコンペになるかもと思い、参加しようと思いました。田代先生が「コンペ一緒にがんばろうね。」と言って下さって、私はとてもうれしかったです。

 練習は、曲が難しくて大変でした。リズム練習や曲作り、音の色を表現するのがなかなかうまくできなかったけど、いつも田代先生がアドバイスを下さったので、週二回のレッスンがとても待ち遠しかったです。予選間近に予選の練習として検定を受けました。点数もあまりよくなくて自信をなくしてしまいました。そんな時、田代先生が
 「大丈夫。あと一週間でもっと上手にひけるようになるよ。」とはげまして下さり、予選通過できないかとても不安だった私は田代先生の言葉をきいてがんばろうと思うようになりました。

 予選本番、田代先生に教えてもらったことを思い出しながら今できるすべての力を出して演奏しました。結果発表をドキドキしながら待っていると、予選通過者の名前が書かれている紙がはり出されました。私はおそるおそる紙を見に行きました。見事予選通過することができ、田代先生は、「おめでとう。よかったね。」と喜んでくださいました。私はとてもうれしかったです。
 本選でも、良い演奏ができ、思っていた以上の点数をいただけてとてもうれしくて泣いてしまいました。

 田代先生、コンペの期間ずっと支えて下さってありがとうございました。コンペに参加して良かったです。今も田代先生のレッスンはおもしろくて楽しいです。田代先生、これからもよろしくお願いします。


          佐藤菜奈子

 昨年の四月なんとか社会人になることができました。母や先生にたくさんのご心配をおかけしましたが、なんとか社会人になることができました。
 しかし、私、社会というものを甘くみていました。会社から帰ったら練習できると思っていましたし、こんなに何度も「土曜日(ピアノの日)も会社に来て。」となるとは思ってもいませんでした。
 学生の頃に「忙しいから。」と練習しなかったのはただの甘えで、今は昔と比べものにならないくらい時間がありません。
 そういう中で今もピアノを続けていて、本当にいいのかな、と思うことがあります。先生の貴重な時間を満足に練習できない私が頂いていいのか、だらだら続けているだけではないのか、色々と考えてしまいます。
 それでも、私はピアノが好きですし、ピアノを弾くことは楽しいと感じます。先生との時間がとても好きです。先生が先生でなかったら、多分私はこんなにピアノを続けていなかったでしょう。
 辞めることも勇気だと思います。私にはピアノを辞める、という決意はまだできません。
 それまで、私は田代先生の元でピアノを習い続けます。教わり続けます。まだまだたくさん教えてもらいます。
 先生、これからもよろしくお願いします♡

     2014.2.13